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フェイスラインのたるみが気になり始めたとき、選択肢のひとつとして名前があがるのが糸リフトです。「即効性がある」「メスを使わない」というイメージで語られる一方で、効果の続く期間・素材の違い・リスクなどは、検討の前にきちんと整理しておきたいテーマです。本記事では、糸リフトの仕組みと選ぶ前に知っておきたい考え方を中立的に整理します。
※本治療は自由診療です。費用・効果・反応・副作用には個人差があり、全ての方に同じ結果が出るわけではありません。

糸リフトはどのような仕組みですか?

結論からお伝えすると、糸リフトは皮下にトゲ(コグ)のついた糸を入れ、たるんだ組織を物理的に引き上げて固定し、その後の組織反応でハリ感を出していく治療です。物理的な引き上げと、糸の周りに起きるコラーゲン産生反応の両方が役割を担います。

  • 直後の引き上げ:挿入された糸のコグ(トゲ・突起)が皮下組織を支え、たるみをやや引き上げる
  • 長期的な変化:糸の周囲に組織反応(コラーゲン産生)が起こり、ハリ感の補助につながるとされる
  • 時間経過:糸自体は徐々に体内で吸収され、最終的には組織反応で残った変化が中心となる

「糸を入れたら一生上がる」というイメージで語られることがありますが、糸自体は時間とともに吸収されていく性質があります。物理的な引き上げ+組織反応という2段階の効果のあり方を理解したうえで検討するのが現実的です。

💡 ポイント
糸リフトの効果は「物理的な引き上げ」と「組織反応によるハリ感」の2段階。「半永久」ではなく、時間とともに少しずつ落ち着いていく性質を前提に検討します。

糸の素材で何が違いますか?

糸リフトには複数の素材があり、吸収のされ方や反応の強さに違いがあります。一般的に使われる吸収性の素材を整理します。

  • PDO(ポリジオキサノン):体内で6〜8か月程度で吸収されるとされる素材。短〜中期向け。
  • PCL(ポリカプロラクトン):12〜24か月程度かけて吸収されるとされる素材。中〜長期向け。
  • PLLA(ポリ乳酸):18〜36か月程度かけて吸収されるとされる素材。長期のコラーゲン反応を期待する位置づけ。

素材ごとに、糸の太さ・コグの形状・抜けにくさといった設計の違いもあります。「どれが優れているか」と一律に比較できる性質のものではなく、目的(たるみの程度・期待する持続期間)と組織の状態に合わせて選ぶという発想で診察で判断します。

なお、糸リフトに使われる製品は、国内承認の有無や用途で区分が分かれている場合があります。診察では、使用する糸について事前に説明を受けたうえで判断することをおすすめします。

効果はどのくらい続きますか?

糸リフトの効果の続く期間は、糸の素材・本数・もとのたるみの程度・年齢・組織の質などにより個人差が大きいテーマです。一般的な目安として、数か月〜2年程度の幅で語られることが多いとされています。

  • 施術直後:挿入による引き上げと、刺激による軽い腫れが混ざる
  • 1〜2週間:腫れが落ち着き、引き上げのラインが見えやすくなる
  • 1〜3か月:コラーゲン反応がゆっくり進む期間
  • 半年〜1年:物理的な引き上げ効果は徐々に弱まり、組織反応で残ったハリ感が中心になる
  • 1〜2年:個人差はあるが、再施術の検討時期を相談する方が多い

「何年ももつ」「半永久」と表現されることもありますが、糸自体は吸収され、組織反応で残る変化も時間とともに少しずつ落ち着いていく性質があります。長期で見るときはHIFU・スキンケア・ホームケアとの組み合わせで考えるのが現実的です。

主なリスク・副作用は何ですか?

糸リフトは、機械での照射治療より侵襲性が高いアプローチとなります。「絶対安全」「副作用なし」とは言えない治療です。

比較的よく見られる反応(多くは一過性)

  • 内出血・腫れ・痛み・圧痛
  • 一時的なつっぱり感・違和感
  • 表情の動きにくさ(笑顔の左右差など)

注意したい反応

  • 糸の露出(皮膚から先端が見える)
  • 引きつれ・凹み・ボコつき
  • 感染・炎症
  • 左右差・想定外のラインの出方

まれだが重篤な反応

  • 神経損傷(感覚異常・運動神経への影響)
  • 大きな血管トラブル
  • 重度の感染

⚠️ 注意
妊娠中・授乳中、皮膚に強い炎症がある場合、ケロイド体質、抗血栓薬の服用中、自己免疫疾患のある方などは適応外となる場合があります。施術後に強い痛み・色調変化・しびれ・表情の異常があれば、自己判断せず受けた医療機関に連絡してください。

糸リフトを検討するときに確認したいことは?

検討時に確認しておきたいポイントを整理します。

  • どの素材・本数・部位を提案されたか:目的との整合性を確認
  • 持続期間の説明が現実的か:「半永久」など断定的な表現に流されない
  • リスクと不調時の連絡体制:夜間・休日の連絡手段、必要時の対応
  • 既往・服薬の確認:抗血栓薬・自己免疫疾患・最近の歯科治療・予防接種など
  • HIFU・スキンケア・別の治療との組み合わせ提案:「糸だけで解決」と一律化していないか
  • 即決を強いない説明姿勢:落ち着いて検討できる時間があるか

糸リフトはたるみ治療の選択肢のひとつであり、たるみの程度・年齢・組織の質によってはHIFUなど別の治療や、糸との組み合わせのほうが合うこともあります。「糸が必要かどうか」から考える視点を持っていただくと、納得感のある判断につながりやすいと思います。

よくある質問

Q. 糸リフトは1回で完成しますか?

A. たるみの程度・期待する仕上がりによっては、複数本・追加施術の検討が必要な場合があります。診察で本数・部位・タイミングをご相談します。

Q. 溶ける糸でも安全ですか?

A. 吸収性の素材でも、感染・神経損傷・凹みなどのリスクは存在します。「溶けるから安全」と一律に言える性質ではありません。

Q. ダウンタイムはどのくらいですか?

A. 個人差がありますが、腫れ・内出血が落ち着くまでに1〜2週間程度を目安にお考えください。重要な予定の前は余裕を持って計画されることをおすすめします。

当院で相談できる内容

  • 糸リフトの適応とリスクのご説明
  • たるみの程度・組織の質に合わせた治療選択のご相談
  • HIFUなど他の治療との組み合わせ
  • 既往・服薬・体質に関する事前評価
  • 施術後の経過観察と気になる症状への対応

📋 まとめ

  • 糸リフトは「物理的な引き上げ+組織反応」の2段階で効果を発揮する治療です。
  • 素材により吸収期間や反応の出方が異なり、目的に合わせて選ぶ必要があります。
  • 効果の続く期間は数か月〜2年程度の幅で個人差が大きく、「半永久」ではありません。
  • リスクは内出血・腫れなどの一過性から、神経損傷・感染など重篤事象まで存在します。
  • HIFUやスキンケアと組み合わせる長期目線が、納得感のある判断につながりやすいです。

※本治療は自由診療であり、費用・効果・反応・副作用には個人差があります。検査・診察のうえで適応をご相談ください。

監修:院長 齊藤
最終更新日:2026-05-16

参考文献:

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